2019年12月9日月曜日

ニンモアウンさんの寺子屋




ティン タイ アウン君(8歳)は、兎唇だった。
笑っているわけではないのにいつも白い歯が見えていた。
うつむき加減に話す言葉が、スースーと口からこぼれる感じがした。

ウチョーウィンに「日本でなら治せるんじゃないかしら?」と言うと、
「ミャンマーでも治せるんだけど、金がないから治していないのだ」と言った。

莫大な金が要るのだろうかと思って、聞いてみると、
手術代は、無料だけど後の治療費が実費だとのこと。

お母さんは、早くに亡くなった。お父さんはいない。
祖父と祖母と下の写真の二人の姉の5人暮らし。
姉二人と一緒にニンモアウンさんの寺子屋に2年間通っている。
大切なビルメロの子だ。

本人や家族の方や皆で相談して手術を決断し、実施してもらった。
その結果が知りたかった。

写真の通り、少し腫れは残っているがきれいになっていた。
「怖かった?」と聞いたら、首を横に振って、
「眠っていたからなにも知らなかった」と言った。
そして、かすかに笑った。その笑顔が本当にうれしかった。

手術は、10月に実施される予定だったのだが
11月に韓国の医師が来られるということで延期されていたのだ。
そして、11月12日入院。13日に施術を受けた。

チーピューさんの話によると、まだ治療中だしはっきりは分からないけど
これまでにかかった費用は、だいたい70000チャットくらいだとのこと。
日本円にしたら、7000円くらいかしら?
生まれた時から分かっていたことなのにこの金が払えなかったのだ。

私は、「よかったね!!!おいしいものをいっぱい食べてね」
と言って棒切れのように細い腕をにぎった。




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